沖縄移住の始め方完全ガイド|費用・仕事・地域選びまで

はじめに:観光ではなく「暮らす沖縄」へ

沖縄に移住したい──そう思ったのは、忙しさの中でふと「もっと自由に働けたら」と感じたときでした。
当時は共働きで、朝から晩まで慌ただしい毎日。
平日はバリバリ働いて、週末はしっかり遊ぶ。
満員電車と終わりの見えない仕事、そして週末になると街へ繰り出す。
気づけば「仕事するために遊び、遊ぶために働く」サイクルの中にいました。

そんなある日、ふと“このまま遊んでるのか遊ばされているのかわからず歳を取るのか?”と思ったんです。
立ち止まって考えたとき、僕に必要だったのは「刺激」ではなく「余白」でした。
海やリゾートへの憧れではなく、ただもう少し呼吸ができる場所に行きたかった。

2019年、東京から家族とともに沖縄・読谷へ移住しました。
当時はまだ夫婦ふたり。
そして2021年に子どもが生まれてから、暮らしの実感がぐっと変わりました。
小さな子を連れて海辺を散歩したり、夕方の風に当たりながら保育園の話をしたり。
「子どもを真ん中に置いて、家族で過ごす時間」が日常の中心になりました。

リモートでの仕事を続けながら、ときどき知り合いの飲食店を手伝ったりもしています。
忙しさの質は変わりましたが、今は心の中に“ゆとり”があります。
この島の時間の流れは、僕たちの生活にちょうどいい速度なんです。

この記事では、僕が実際に移住して感じたことを交えながら、沖縄で暮らすための費用・地域選び・仕事・準備のステップをまとめます。
「いつか沖縄で暮らしたい」と思っている人に、現実的なイメージと、ほんの少しの勇気を届けられたらと思います。


1. テレワーク時代と地方移住ブーム

2020年代に入り、働く場所の自由度は一気に広がりました。
東京や大阪のオフィスに毎日通う必要がなくなり、仕事を持ったまま地方に移住する人が増えています。

沖縄もその中で注目を集める場所のひとつです。
総務省の統計によると、2024年の沖縄県は全国でも上位の転入超過数を記録。
一時的なブームではなく、“働きながら暮らす島”として定着しつつあります。

僕自身もその流れに乗ってやってきた一人です。
特別な縁や強い理由があったわけじゃない。
ただ「海が近くて、風が柔らかそう」という直感だけで決めました。
会社員時代のように「夜中まで働いて、休日も頭が仕事でいっぱい」という日々から、少し距離を取りたかった。

もし今、都会で仕事に追われている人がいたら伝えたいのは──
“逃げるように”でもいいから、一度立ち止まってみてほしいということ。
沖縄の暮らしは、働き方を変えるだけでなく、心のリズムそのものを変えてくれます。


2. 文化と気候の魅力

沖縄の暮らしを語るうえで外せないのが、気候と人のあたたかさ。
年間平均気温はおよそ23℃で、冬でも15℃を下回ることはほとんどありません。
一年中、外に出るのが気持ちいい。

……ただし、それは最初の一年だけ。
二年目以降は体が“沖縄仕様”になり、気温18℃でも普通に寒いです。
風が強い日は体感10℃近く。
やんばる方面や田舎での暮らしを考えているなら、ヒートテックと軽めのダウンは必須です。
南国でも「冬の装備」はちゃんと必要。

人との距離の近さも特徴です。
那覇のような都市部ではあまり感じませんが、読谷のような地域では、
きちんと地元の人と関わっていれば、家族のように接してくれます。
「これ食べなさい」「子ども大きくなったね」と声をかけてもらうのが日常です。

ただし、それは“ちゃんと付き合う”人間関係を築いた場合。
移住者同士だけで生活していると、なかなかそうした繋がりは生まれません。
人の距離が近いということは、裏を返せば“狭さ”でもある。
でもそれを理解した上で関われば、これほど温かい土地もありません。

食文化も独特です。
島豆腐、ゴーヤー、豚肉、そして惣菜屋の弁当や天ぷら。
観光で食べる沖縄料理とは全く違う、“日常の味”がこの土地にはあります。
僕も移住して初めて、「お弁当屋の天ぷらが主食になる」文化を知りました。
これが本当においしい。


3. 沖縄移住にかかる費用の目安

「沖縄は物価が安い」と思っていた僕ですが、住んでみると意外と高いと感じました。
島なので、外から運ばれてくるものは全部高い。
特に電気代と食料品の高さは東京よりもはっきり分かります。

ざっくりとした生活コストは以下の通りです。

費用項目単身者夫婦二人子育て世帯
家賃4〜6万円6〜8万円8〜10万円
食費3〜4万円5〜6万円7〜9万円
光熱費1.5万円2万円2.5万円
通信費0.8万円1万円1.2万円
車関係2万円3万円4万円
合計/月約11万円約16万円約23万円

僕が最初に借りたのは、2LDKで家賃7万円のマンション。
築浅で最上階、風通しが良く、湿気にも強い物件でした。
ただし夏の除湿は必須。
エアコンを「ドライ」でほぼつけっぱなしにしていたので、光熱費は東京時代より高くなりました。

家具家電付き物件を選べば、初期費用を10〜15万円ほど抑えられます。
「まず1年暮らしてみる」という移住スタイルにはこの方法が向いています。


4. 地域の選び方:海よりも“生活動線”

沖縄では「どこに住むか」で生活のテンポがまったく変わります。

那覇・浦添は交通が便利で、ゆいレールや配車アプリも使えるので車がなくても生活可能。
仕事も多く、生活基盤を整えやすい反面、家賃は高めです。

読谷・北谷は、いわゆる「思い描く沖縄ライフ」に近い場所。
移住者や外国人が多く、カフェやローカルショップが点在。
リモートワークにも理想的なエリアですが、人気で家探しは競争気味。車は必須です。

名護・今帰仁は自然豊かで、静かに過ごしたい人向け。
車がなければ厳しいですが、仕事と移住費用に余裕がある人には最高の環境です。

僕は最初、沖縄市泡瀬に半年住み、その後読谷へ移りました。
結果的に「車で30分以内に何でもある」読谷が自分には合っていました。
景色よりも、日々の“暮らしやすさ”を優先する。
それが長く続けるコツです。


5. 仕事と収入の確保

沖縄移住を考えるときに一番の現実問題が“仕事”です。
県内の平均給与は全国平均より低く、正社員でも月給20万円台前半が一般的。

僕のようにリモートで仕事を持ち込む形が増えているのも、その理由です。
光回線は「auひかりちゅら」や「NURO光」が主流で、全域で安定しています。
コワーキングスペースも那覇・宜野湾・沖縄市・北谷・読谷・名護と各地に増えました。

現地採用を考えるなら、観光・飲食・医療・教育が中心。
求人は「アグレ」や「はたらくーる」が定番です。

僕の経験上、移住前にリモート契約や副業を確保しておく方が圧倒的に安心
「働くために住む」ではなく、「暮らすために働く」くらいの感覚が、この土地のリズムに合っています。


6. 移住前にやっておくべき準備

  • 住民票・保険・年金などの手続きは事前に確認。
  • 車は必須。持ち込みor現地購入のどちらかを早めに決める。
  • 台風・湿気対策として除湿機・蓄電池を準備。
  • インターネット回線は移住前に申し込み。
  • 可能なら“お試し滞在”を1〜2週間して生活感をつかむ。

👉 詳細チェックリストはこちら:沖縄移住準備リストPDF


7. よくある落とし穴と小さなコツ

  • “景色”で選び、生活の不便さに後悔する。
  • 収入源を確保せずに来て焦る。
  • 湿気と台風に心が折れそうになる。

けれど、それを含めて「沖縄の暮らし」です。
便利さよりも、自分のペースで生活リズムを作る。
地元の人に助けられながら、少しずつ馴染んでいけば大丈夫。


8. まとめ:焦らず、続けられる暮らしを

沖縄移住は、勢いだけでは続きません。
「理想を叶える」よりも、「続けられる暮らし方」を見つけること。

僕にとって沖縄は、“ゆっくり”でも“しっかり”働ける場所です。
仕事を終えたあと、子どもと海辺を歩く時間が一日のご褒美。
それだけで、東京で感じていた焦りや競争心が少しずつ薄れていきました。

移住を考えている人は、ぜひ一度“暮らす沖縄”を感じてみてください。
観光では見えない、静かで確かな魅力がこの島にはあります。